2020/03/23
紀伊半島 和歌山に行ってきました。
7年前九州に届いた美しい木肌の杉の構造材のサンプル。それでいてJASに従った含水率やヤング係数も記載。
ずっと気になっていた山長商店の森をこの目で見たくて。
江戸の末期に創業し紀伊半島に6千ヘクタールの自社林を所有。
植林から伐採・製材・乾燥・プレカットまで一貫して自社でやるという日本でも数少ない企業。
樹種に適した地形・水量を考慮し杉・桧・広葉樹を植え付け。
今回の案内人の一人。50年近く山に関わってきたタノさんの話。森林管理から妖精(妖怪?)の話まで幅広い。
同じく、企画室のサコさんの淡々とした熱い山・仕事への想い。タマさんの紀州マニア情報。
案内人3人のそれぞれの語りが今回の山長ツアーをより興味深いものにしてくれました。
山林の伐採現場。紀州の山は急斜面が多いとのこと。ワイヤーを使った集材機。木材が空中をとおり降ろされてきます。
長い時間をかけて手入れされた森。地表にまで光が降り注ぎ、下草も十分に育っていて豊かな土壌を作り出していました。
自社所有の貯木場。実生から育てた紀州材。ここで選別が行われます。
丸太からの製材。残り材の選別も細かく。
美しい木肌の桧。この後、自社での蒸気減圧乾燥に入るようです。
圧巻の杉の平角ストック。ここでもさらに細かい選別が。
プレカットでは納まらない加工は熟練の職人さんの手で。
含水率、強度試験。ここでもさらに選別。とにかく各工程での選別の繰り返し。いい意味でのため息しかない…。
二日目。紀州といえば梅。山長さんの材を使った店舗も見学。
初めての熊野古道。ガイドさんもついて熊野の歴史から詳しく教えて頂きました。
1000年以上続く熊野信仰。上皇から貴族、庶民に至るまであらゆる階層の人々の信仰を集めてきた。
優しい表情で、奥深い語り口だけど、時々笑いを入れてくるあたりはさすが(笑)。
熊野の地を見おろす場所から。あと数日でヤマ桜が咲くはずだったようで、そこだけが心のこり。
探訪記の最後に熊野本宮大社を参拝。
もともとは自然信仰の土地だったのが、平安時代頃から仏教・密教・修験道の聖地ともなった。
自然と神が融合された懐の深い印象の建築様式。明治の大洪水で現在の場所に移転。宮司さんの話にも感激。
熊野にいるとゆっくりと時間が流れている。そのことを体感できた気がします。この地で生きてきた先人たちの想い。
その想いが、文化や風習はもちろん、この場所や歴史を語るときの言葉や表情、ちょとした仕草まで今も残っているという錯覚感覚。
はるか昔から現在まで、人・空間・時間とが自然を通じて繋がっていることを気づかせてくれる。いい時間をすごせました。
番外編 谷中幹工務店 谷中さんに案内された地元に愛されてる居酒屋さん。
豊かな森が豊かな海をつくる。おいしい食材であふれていました。
山長さん、モックさん、谷中さん、今回の訪問を繋いでくれた飯尾建設 大沼さんありがとうございました。
今度はもっとゆっくり時間をかけて行きたいなぁ。
WRITER書いた人
鷹野材木店は創業昭和42年より、
福岡市南区にて材木店を展開しています。